「とりあえず3億円」が経営権を奪う現実
資金調達を検討する経営者の多くが、「いくら調達するか」を感覚で決めています。「同業他社が3億円調達したから、うちも3億円」「多めに取っておいた方が安心だから5億円」——こうした決め方が、3年後の経営権を縛ります。
資金調達には持分の希薄化(dilution)という不可避のコストが伴います。希薄化とは、新規株式を発行して投資家に譲渡することで、創業メンバーの持ち分比率が下がる現象です。このコストを正しく理解せずに調達額を決めることは、「価格を確認せずに家を買う」のと同じです。
本記事では、希薄化の実態を整理し、必要額を逆算して調達額を決める具体的な方法を解説します。
図9: ラウンド別持分変化シミュレーション